
皆さんこんにちは!
株式会社日賀井造園土木、更新担当の中西です。
~セメント~
外構(駐車場土間・アプローチ・ブロック基礎・階段・門柱など)でのセメントは、仕上がりと耐久性を左右するキーパーツ。現場で迷わないように、種類と使い分けをコンパクトに整理します。
セメント=結合材そのもの(粉体)。
モルタル=セメント+砂+水(目地・下地・薄塗り)。
コンクリート=セメント+砂+砂利+水(構造・土間スラブ)。
普通ポルトランド:汎用。土間・基礎・ブロック積み全般。
早強セメント:早期強度が必要なとき(冬場の型枠早期外し・短工期)。
中庸熱/低熱:大断面や発熱抑制が必要な基礎に(外構では大型擁壁など)。
高炉セメント・フライアッシュ混合:耐久性・温度上昇抑制・CO₂低減に有利。
白セメント:化粧モルタル・洗い出し・色モルタル。
無収縮グラウト:アンカーボルト充填やベースプレート下の隙間充填。
※種類選定は強度・見た目・施工時期(温度)・環境配慮のバランスで。
駐車場土間スラブ:コンクリート(呼び強度24〜30)、収縮目地を3〜4mピッチで切る/ワイヤーメッシュで割れ抑制。
アプローチ・階段:下地コンクリート+仕上げ(洗い出し・刷毛引き・タイル)。
ブロック基礎・門柱:ベース&立上りはコンクリート、充填モルタルは流動性を確保。
インターロッキング敷設:路盤→砂敷→エッジ押さえ、必要に応じセメント安定処理。
金物アンカー:穿孔→無収縮グラウトorケミカルアンカー(用途で選択)。
水セメント比(W/C):入れすぎ厳禁。低W/C=高耐久。ワーカビリティは“水”ではなく減水剤で確保。
スランプ:土間は過流動にしない(表面粉化・ひびの原因)。
空気量:寒冷地の凍結融解対策にAEを。
下地:転圧した砕石路盤(10〜15cm)がひび抑制の土台。
勾配:排水勾配は1〜2%確保、建物側に水を寄せない。
目地計画:切込みは打設24時間以内/板厚の1/4〜1/3深さが目安。
夏(高温):直射・高温で急乾燥→打設後すぐ養生(散水・シート)、遅延剤や低温材料を活用。
冬(低温):凍結回避が最優先。早強や非塩化物系促進剤、保温養生。初期強度が出るまで凍らせない。
雨天:表面洗掘・白華の原因。打設延期か覆工・水替えで管理。
刷毛引き(防滑・均一)/金鏝(緻密・光沢)/洗い出し(骨材見せ)/スタンプ(石目風)
顔料着色:白セメント+無機顔料が色安定。シーラーで退色・汚れを抑制。
ひび割れ:過水・路盤不足・目地不足が三大要因 → 配合・路盤・目地を設計段階で確定。
白華(エフロ):急乾燥・過水・排水不良 → 低W/C・良好な養生・シーラー。発生時は弱酸洗浄→中和→再洗浄。
色ムラ:打継ぎ時の時間差・含水差 → 打設計画の分割と連続性、養生統一。
はく離・浮き(タイル・石貼り):「下地乾燥不足・プライマー不良」 → 含水率管理+接着材選定。
高炉・フライアッシュの活用でCO₂と熱割れ低減。
透水性コンクリートでヒートアイランド・水はけ改善(用途と荷重に注意)。
表面含浸材(リチウム系等)で中性化・凍結融解耐久を補強。
セメントは強アルカリ。手袋・保護メガネ・防塵マスクを常用。
皮膚に付いたら大量の水で速やかに洗浄、長時間の濡れは化学熱傷の原因。
□ 用途・仕上げ(刷毛引き/洗い出し 等)
□ 呼び強度・スランプ・空気量(外構標準を指定)
□ 混和材(高炉・FA・AE減水 等)
□ 路盤厚・配筋・目地計画
□ 勾配・排水処理(桝・雨水の逃げ)
□ 養生方法と期間(最低7日を目安)
□ 色材・シーラーの有無
外構のセメント仕事は、配合(W/C)×路盤×目地×養生の四点を押さえれば失敗しにくい。
用途に合ったセメント種と仕上げを選び、季節対応と排水設計まで含めて計画すれば、見た目も耐久も“長持ちする外構”が手に入ります。
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